胆泥症

数日前に実家のミンちゃんの手術をしました。
胆嚢摘出の手術です。

ミンちゃんは以前から胆嚢内の胆汁がどろどろになる胆泥症がひどかったものの、心臓も相当悪いために手術を見合わせていました。
しかしながら6月に入りどろどろになった胆汁が総胆管に詰まり肝障害を起こしてしまいました。
集中治療で手術できるまで状態が改善できたので、心臓に極力負担をかけない麻酔方法を選び、無事に悪い胆嚢を取ることができました。

一昔前までは胆泥症には臨床的意義はないと言われてきましたが、ここ数年は胆嚢の病態が大分解明されてきています。
予防的な胆嚢摘出手術に関しては未だ賛否両論ですが、実際に摘出した胆嚢の中に入っているどろどろに固まった胆泥をみているとこの胆嚢が正常とはとても思えません。
今回の手術で少なくとも胆嚢には今後悩まされることはなくなり一安心。

手術に痛みはつきものですが、痛みも極力減らせるように麻薬性の鎮痛剤で手術中から疼痛管理をしました。
半年前に自分が怪我をした時にも痛みを減らすことの大切さは身を持って実感しています。
写真は手術後30分のミンちゃん、とてもお腹を開けて胆嚢とって、肝臓や膵臓を生検したとは思えないですよね?
疼痛管理をしっかり行っているとはいえ、動物の生命力ってすごいですよね。

同じ手術をするにしても施設によって手術や麻酔管理の腕、痛みを含めた術後管理の技術は雲泥の差です。
ここはアニホスの外科技術とチームワークの腕の見せ所です。
今回も遅くまで手術に付き合ってくれたスタッフに感謝。
自分がいない日にも安心して術後経過を任せられます。

自分のうちの子だけじゃなくて、他の患者様にも同様に最善の方法を提供できるように、日々アップデートです。

高木勝久

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