段々と暖かい日が増え、桜の蕾が咲き誇る準備を始めていますね。
本日のお昼寝がとても心地よかったです。。。
さて診察の中でもお話する機会は多いのですが、本日は犬猫の腎臓のお話をさせてください。
慢性腎臓病は高齢の犬猫で発症することの多い、不可逆性で進行性の疾患です。
動物は基本的に生まれたときの腎臓の機能を一生使いますが、お年を召すに従って腎臓は様々な要因で障害を受けます。
腎臓の主な役割は血液中の不要物を体外に排出することであり、腎臓が弱ると段々と不要物を排出する能力が下がってしまいます。
不要物の中で最も問題になるのが代謝の過程で発生し、体にとっての毒物である窒素代謝物です。
また、P:リンやK:カリウム、Ca:カルシウムも必要元素ではありますが、腎臓が弱ると排出が滞り体内に過剰に蓄積することで毒性を示します。
腎臓を治すことは現在の獣医療ではできませんので、治療のアプローチとしては以下となります。
①上記の不要物の体内への吸収を抑制して、体内に貯まらないようにする
=腎臓系フードへの変更や吸収阻害剤、サプリメントの服用
②血液循環量を増やして、腎臓の排出機能をサポートする
=定期的な皮下点滴治療
③腎機能低下の進行を遅らせる効果のある内服薬
=プロスタサイクリン誘導体の服用
①の中で、本日はアゾディルをご紹介します。
窒素代謝物は正常な腎臓であれば問題なく排出できますが、腎機能の低下に伴って体内に蓄積することで様々な症状を示します。
代表的なものでは『体重低下、多飲多尿、脱水、悪心、嘔吐、口臭(尿毒症臭)』などです。
このサプリメントのコンセプトは、生体にとって毒物である窒素老廃物をエサとして利用できる3種の善玉菌が活躍し、体内に吸収される窒素老廃物の絶対量を減らすものです。
生菌を使っているため冷蔵保存が必要であったり、抗生物質との同時投与は避けるなど、服用の際はいくつか注意点がありますので、最大限の効果を発揮するためにも興味のある方はまずはアニホスの獣医師やスタッフにお気軽にお問い合わせください。
この他にも大切なご家族のためにしてあげられることはたくさんあるので、なんでもご相談くださいね!
獣医師:木下翔太