施設・設備

Pet Clinicアニホスでは低侵襲外科(患者様の体に負担と痛みの少ない手術)に力を入れております。
CT検査[コンピュータ断層撮影]
内視鏡検査[消化管、気管支鏡、 膀胱内視鏡検査鏡]
半導体レーザー
Cアーム[外科用レントゲン撮影装置]
レントゲンDR検査[デジタルラジオグラフィーシステム]
超音波診断装置
リガシュア[血管シーリングシステム]
サンダービート[超音波&高周波エネルギーデバイス]

CT検査[コンピュータ断層撮影]

アニホスでは、2015年6月にGEヘルスケア製BrivoCT385 16列マルチスライスCTを導入致しました。

CTとはComputed Tomography(コンピュータ断層撮影)の略で、原理は単純レントゲン検査と同じですが立体的に見ることができます。レントゲン検査と比較してより高精細に臓器や病変を描出し、今まで以上の診断・治療が可能となります。
このため、レントゲン検査では検出が困難なレベルの腫瘍の広がり、鼻腔内疾患、血管や骨格の異常など様々な病変を発見することができます。

例えば、「肝臓にしこりがあり、手術で摘出ができるか?」、「お腹の中に腫瘍があり、肺などに転移していないか?」、「最近鼻血が増えてきて、鼻が腫れてきた」など様々な場面で検査が適応となります。

検査は動くと撮影できないため全身麻酔が必要となりますが、内容によっては撮影と同時に手術や組織生検検査をすることも可能です。
アニホスが得意とする外科治療にCT検査を組み合わせることにより、より一層確実で精度の高い診断治療をご提供できるようになりました。
 GEヘルスケア製BrivoCT385 16列マルチスライスCT
 鼻腔内腫瘍を認めた症例(矢印部:鼻腔内腫瘍)
 股関節脱臼および股関節に重度関節炎を認めた症例(矢印部:股関節関節炎)  右上腹部に巨大腫瘤(停留睾丸)を認めた症例(矢印部:腹腔内停留睾丸)
 乳腺癌の肺転移を認めた症例(矢印部:肺転移部)

内視鏡検査[消化管、気管支鏡、 膀胱内視鏡検査鏡]

アニホスでは消化器および気管支内視鏡(OLYMPUS社製)、軟性膀胱鏡(KARL STORZ社製)が活躍しています。

消化管や気道内部、尿道~膀胱内を肉眼的に観察したり、組織の採材を行ったりして病態の把握や診断を可能にします。またPEGチューブ(胃瘻チューブ)、気管ステント、尿道ステントなどの設置時にも役立ちます。
直径8.8mm・5.5mm動物用ビデオ内視鏡(OLYMPUS社製) 直径3.0mmビデオ内視鏡ビデオ(KARL STORZ社製)

消化管の内視鏡検査では、炎症やリンパ腫や腺癌などの腫瘍性病変およびリンパ球形質細胞性腸炎・リンパ管拡張症などの病態の診断を可能にします。
また、胃内異物・食道内異物の摘出でも力を発揮します。内視鏡で摘出できれば、開腹手術を避けることができ、動物への侵襲が少なくて済みます。
胃内の異物(アイスの棒) リンパ管拡張症

気管支内視鏡で気管・気管支へと挿入することで内部の観察ができます。気管支鏡下の気管支肺胞洗浄(BAL)で、細胞診や細菌培養の為の標本採取ができ診断精度を高めることができます。
また、気管虚脱の救急処置として、気管ステントの挿入も可能にします。
気管虚脱によりつぶれた気管 気管ステント設置後

軟性膀胱鏡では、尿道~膀胱の観察ができ、粘膜生検で移行上皮癌などの腫瘍性病変の診断を可能にします。
尿道ステントの設置も行うことができます。
移行上皮癌で閉塞した尿道  尿道ステント設置後

半導体レーザー

アニホスでは、新世代半導体レーザーを導入しております。
レーザー治療器DVL20(飛鳥メディカル社製)
レーザー光を体に当てると、そのエネルギーレベルに応じて、加温、蛋白変性、凝固、炭化、蒸散といった多彩な組織反応がおきます。これらを利用して、従来よりも出血・疼痛・感染の少ない外科処置が行えるようになりました。

また、レーザーを用いると、無麻酔*での疼痛緩和・炎症抑制、体表小腫瘍の蒸散、運動障害や腫瘍に対する温熱療法なども行えるため、高齢などで全身麻酔が困難な動物の治療や根治療法が難しい病気の緩和療法へ治療の幅が広がりました。

*病気の場所や程度、動物の性格等により局所麻酔や鎮静などが必要になる場合があります。
腰部痛・神経性の後肢運動障害に対する温熱療法 口内炎の疼痛緩和・炎症抑制治療
さらに、全身麻酔下になりますが、椎間板ヘルニアを減圧したり(レーザー椎間板減圧術:PLDD)、腫瘍を凝固させて縮小・脱落させたりといった新たな治療も可能となりました。
レーザー椎間板減圧術(PLDD)
椎間板髄核をレーザーで変性させ、脊髄への圧迫を減圧し、疼痛や運動障害の緩和を図る。 手術中レントゲン検査所見

Cアーム[外科用レントゲン撮影装置]

アニホスではCアーム(GEヘルスケア製CE7900)を使用しています。
Cアームは透視(レントゲン画像を動画で映し出す)機能をもち、リアルタイムのレントゲン画像を描出することのできる装置です。撮影用のアームがアルファベットの『C』の形をしているため、Cアームと呼ばれています。
この装置本体には可動性があり、アーム部分も回転ができるため、あらゆる角度からレントゲンの撮影をできる特徴をもち、手術中でもレントゲンの撮影が可能です。何度も手術中にレントゲンの撮影をするステント治療や整形外科、神経外科の手術に関しても、動物をレントゲン室に移動する必要性がなく、簡便により正確な手術を実施することができ、手術時間の短縮も可能です。
また、この装置を使用することで消化管や気管など臓器の運動性や機能をみることもできます。
Cアーム(GEヘルスケア製CE7900) 脊髄造影検査施術中所見
前立腺腫瘍症例に対する逆行性尿路造影膀胱近位の尿道狭窄を認める(矢印) 脛骨骨折に対して髄内ピン挿入時の術中画像
門脈体循環シャント症例に対する門脈造影像(DSA撮影) 左胃静脈、横隔静脈経由で後大静脈につながるシャント血管(矢印) 左と同症例のシャント血管結紮後の門脈造影像(DSA撮影) シャント血管は描出されなくなった

レントゲンDR検査[デジタルラジオグラフィーシステム]

アニホスでは、AeroDR (KONICA MINOLTA社製) を採用しています。
 AeroDR(KONICA MINOLTA社製)  PACSシステム レントゲン写真の判読に使用する
レントゲンDRとは、レントゲンフィルムを用いずに、デジタル化された画像情報を得ることができるレントゲン装置で、現在多くの病院使用されているCRシステム(コンピューテッドラジオグラフィーシステム)と比較して高画質で低被爆なのが特徴です。
高精度の画像撮影はもちろんのこと、読影においては画像のコントラストやサイズの変更、過去の画像との比較などが自由自在になったことで、より細やかな診断ができます。また、撮影した画像は、診察室等複数のパソコンモニターで即座に共有できるため、飼主様に精細なレントゲン画像をお見せしながら、病状をご説明することが可能になりました。

レントゲン検査の活躍の場は広く、
頭部(例:骨折、鼻腔内疾患、耳道疾患、腫瘍疾患)
胸部(例:循環器系疾患、呼吸器系疾患、整形疾患、腫瘍疾患)
腹部(例:肝・胆道系疾患、泌尿器疾患、消化器疾患、腫瘍疾患)
関節・四肢(例:整形疾患、腫瘍疾患)
といった全身の精査に用いられています。
レントゲン検査は、短時間で多くの情報が得られることから、動物への負担も小さく、メリットの多い検査方法です。アニホスでは血液検査や超音波検査、CT検査等と組み合わせて、より高精度な診断を行っています。
 重症筋無力症に伴う食道拡張症および誤嚥性肺炎
 巨大な腹腔内腫瘍症例
 関節リウマチ症例

超音波診断装置

アニホスではVividE9(GE Healthcare社製)、Xario(東芝メディカルシステムズ社製)およびViamo(東芝メディカルシステムズ社製)の超音波診断装置を使用しております。

超音波検査とは、超音波ビームが臓器などの対象物に当たり、反射することで戻ってきたビームを画像化し、臓器の内部の状態を確認する検査です。
この検査では、心臓、肝臓、胆嚢、腎臓、副腎、膀胱、膵臓、前立腺、子宮、卵巣、胃、腸などの臓器の構造をはじめとし、腫瘍、結石症の早期発見や胸水、腹水など様々な病気を見つけることができます。
使用する超音波は非常に弱いため、生体への影響はほとんどありません。
VividE9(GE Healthcare社製)
動脈管開存症(PDA)
モザイク状に見えているもの(矢印)が大動脈から肺動脈に短絡している 血流です。 大動脈から肺動脈に短絡している血流速を測定しています。
慢性房室弁疾患(僧帽弁閉鎖不全症)(PDA)
高齢犬の健康診断にて心雑音を聴取し超音波検査にて僧帽弁閉鎖不全症と診断しました。モザイク状に見えているもの(矢印)が左心房への逆流を示しています。
消化管内異物 胆管閉塞
数日前から頻回の嘔吐を示しており、超音波検査にて腸管に詰まった異物を確認した。手術にて摘出しペットボトルのキャップでした。 数日前から嘔吐、食欲不振を主訴に来院し、黄疸(粘膜が黄色)が認められました。超音波検査にて総胆管(胆嚢から十二指腸までの胆汁の通り道)の拡張、閉塞物が認められました。手術にて胆嚢摘出と総胆管開通を実施しました。
肝臓腫瘤(肝臓癌)
肝臓全域に腫瘍が浸潤している。 腹水貯留を認めた。

リガシュア[血管シーリングシステム]

リガシュアは「血管シーリングシステム」と呼ばれる特殊な止血用電気メスで、直径7㎜以下の血管をシールすることで止血や切断をする装置です。
安全・確実に止血、手術時間の短縮ができ、また体内に残す縫合糸を減らすことができます。
近年、学会や論文では体内に残した縫合糸が免疫反応を引き起こすことで発症する「縫合反応性肉芽腫」という病気が報告されています。
アニホスでは体に異常反応を起こしにくい縫合糸を使用しているのに加え、本システムを使用することでこのような病気の可能性も低減しております。
また、アニホスが力を入れている低侵襲外科の一つである腹腔鏡を使った不妊手術(腹腔鏡下卵巣子宮全摘出術)や脾臓摘出術などでも非常に有用な武器となります。
FORCE TRIAD  リガシュアの他、モノポーラ・バイポーラ電気メスも使用可能
腹腔鏡手術用リガシュア 開腹手術用リガシュア

サンダービート[超音波&高周波エネルギーデバイス]

サンダービートとは、出血を防ぐための血管封止や組織の切開、剥離を行う外科用エネルギーデバイスで、内視鏡下手術や開腹手術で使用されます。 従来の外科用デバイスに用いられる超音波メスと電気メスを融合させた先端医療機器です。 ①血管を封止する②組織を剥離する③組織を把持する④切開する⑤出血時に止血するといった基本動作を全て高い性能で行うことが可能です。
安全かつ確実に止血、切開、剥離が可能
外科手術では組織を切離するときに出血を防ぐことが重要になってきます。
現在多く使われているデバイスには高周波の電流を使う電気メスと、超音波による振動を使う超音波メスの2種類があります。それぞれに利点が異なり、手術のタイプや場面によって使い分けられています。
電気メスの利点は血管の封止能力が高い事ですが、切断まで一度には行えず血管封止と切断の2つの操作が必要になります。一方、超音波メスは血管を封止ししながら切離することができるのが利点です。ただし、その封止能力は高周波電波エネルギーデバイスほどではありません。サンダービートはこの2つを同時に出力することができるため、1つの操作でより確実に血管の封止と切離が行えます。
縫合糸を用いずに血管を結紮、切断可能
多くの手術では血管を糸で結紮し、切断するという繰り返しの動作が必要になります。
結紮が多くなればなるほど、手術時間が長くなります。また、縫合糸に対するアレルギー反応が原因の縫合糸反応性肉芽腫が問題となることがあります。
サンダービートは縫合糸を使用することなく、血管の封入及び切断を瞬時に行う事ができるため、手術時間を大幅に短縮することができ、体内に残る縫合糸を減らすことができます。
低侵襲外科への応用
腹腔鏡手術・開腹手術に関わらず止血をしながら剥離を進めることができるため視野の確保や正確な剥離をするべき層の決定ができることで手術の短縮や安全性に寄与します。
アニホスで力を入れている低侵襲外科とはとても相性の良い機材であり、近年獣医療でも広がりつつある腹腔鏡下胆嚢摘出術や腹腔鏡下副腎摘出術などにも応用が利かせられるためこのような先端医療機器を用いて適応を拡大し、よりわんちゃんねこちゃんに負担の少ない治療を提供いたします。
お腹に設置した孔よりサンダービートをお腹の中に挿入して手術をしています。写真は腹腔鏡下手術の外観です。



当院の施設・設備をご紹介します。施設名をクリックすると詳細が表示されます。

1階

1 犬おしっこ場 2 駐車場 3 感染症診察室
4 伝染病入院室 5 お別れ室 6 談話の広場

2階

1 レーザー治療室 2 診察室 3 超音波検査室
4 検査室 5 処置室 6 レントゲン室
7 薬局 8 スタッフステーション 9 救急救命室
10 総合受付 11 総合ロビー 12 猫の待合室
13 犬の待合室 14 喫茶コーナー    

3階

1 手術室 2 手術準備室 3 CT操作室
4 CT室 5 歯科治療室 6 入院室
7 検査室 8 処置室 9 処方食
10 相談室   11 猫入院室 12
13
メディカルグルーミング室
           

4階

1 セミナールーム、会議室、イベント室、パピークラス会場

5階

1 事務室、応接間