こんにちは。
皆様いかがお過ごしでしょうか。
最近暖かくなり、過ごしやすくなってきましたね。
ご報告が遅くなりましたが、昨年の11月動物臨床医学会で学会発表してきました。
腹腔鏡にて転移を疑う内側腸骨リンパ節 を切除した犬の2例ということで発表しました。
内側腸骨リンパ節というのはお腹の奥の方にあるリンパ節ですので、開腹手術で摘出するためにはお腹を大きく切開しなければなりません。
お腹の中にある腫瘍をリンパ節ごと取るということであればいいのですが、ここに転移しやすい腫瘍は後ろ足にできた腫瘍や肛門嚢腺癌(肛門嚢にできた悪性腫瘍)が多いため、切除する場所とさらにお腹を開けることになります。
腹腔鏡であれば、観察するカメラポート、操作用のポートが2~3個と1cm程度の傷が3~4か所です。
さらに腹腔鏡は拡大視効果があり、大事な血管や尿管などもよく観察でき安全にかつ傷も小さく実施することができます。
術後の開腹も早く、痛みも少ない腹腔鏡はこのリンパ節を取るのに最適な方法だと思いました。
リンパ節の大きさや浸潤程度により適応外の場合もありますので、気になる方は担当獣医師に確認してください。
これからも低侵襲手術を目指して邁進していきたいと思います。
写真はうちの愛猫ぶりちゃんです。
獣医師 呉竹