飼い主の不注意

 飼い主とは名ばかりで、実は何と不注意なのだろうと愛犬に知らされることが多々あります。みなさんはいかがですか?

その一つが「嘔吐の原因づくり」です。つまり、ペット自体の体調不良による「嘔吐」ではなく、ペットは健康なのに飼い主のある行為により「嘔吐」をさせてしまう場合があるということです。今回は恥ずかしながら自らの不注意を紹介させていただきます。

我が家の愛犬マメタロウは「口から外れるものがない」といわれているくらい、我が家で食するものは彼の口にも入ります。(当然、食べ物やその量は考えていますが.....)あの愛らしい瞳で真剣に見つめられる上に、わがままきままのわがコがお行儀欲よくきっちりと目の前に座られたりすると、ついつい「いいよ〜」という気持ちになってしまいます。そして「マメちゃんにあげちゃ駄目よ!すぐに吐くんだから!!」という母の目を盗みながら、「ちょっとだけ、ちょっとだけ」とあげてしまいます。そしてある日「ほら、だからいったでしょ。マメちゃん2回も吐いたのよ!可愛そうに!!」と母にしみじみといわれ、しょんぼりとしている私に輪をかけるかのように静かに横たわっている(別に具合悪いわけでは無く、状況的にです。結構演技派です!)マメタロウを見ると「ごめんね〜、悪いのはみんなわたし!!」と今度は後悔と自責の念に駆られます。

そもそも胃にあるものが逆流をするのは、非常に身体に負担をかけます。では、ここでなぜ彼が吐いたのかを考えて見ましょう。まず、何をあげたかというと「パイ」のかけらを小さじ1杯程度です。「そんなもんで吐くの!?」と思いますが、ここには色々な背景があったのです。まず、「パイ」はたっぷりのバターを練りこんで作ってあるので、少量でも思いのほか高脂肪です。マメタロウはもともと高脂肪に対して消化力が弱いという「体質」があります。次に、脂肪は胃の中に留まる時間がごはんなどの炭水化物や肉などの蛋白質に比較して長い。つまり過剰な脂肪は「胃に負担をかける」のです。さらに、ここのところ気温が急に上昇していますよね。犬や猫はご存知のように全身に汗をかくことで体温調節ができないため、急激な気温の上昇は体調を崩しやすい環境なのです。そのような環境では、当然身体もストレスを感じるため「消化能」が低下します。そう、すべての条件が重なった結果生じた嘔吐でした。そこまで分かっているのになぜ止めないか!!まったくその通りで、これが「飼い主の不注意」の所以です。

私たちが日常生活であげてしまいがちな食べ物には、ハムやソーセージなどの「加工食品」が多いかと思います。それらは食べたからといってすぐに健康状態に問題がでたりする食品ではありませんが、このような食品は「脂肪」や「糖質」が思いのほか多く含まれているため、高カロリー名食品です!たとえば、ウインナーソーセージ1本は約60kcalで、大き目の鶏ささみ約1本分と同じくらいのエネルギー量があるのです!そしてペットにとって脂肪の臭いは食欲をそそります。「食べたい」という本能で当然おいしそうに食べては次をねだります。嬉しそうに食べてくれるペットの姿は飼い主をも幸せにしてくれます。ところが、ここが悪循環への扉ですね。

飼い主たるもの、その押さえ切れない気持ちを何とかコントロールし、飼い主の不注意で我がコを苦しめないように気をつけましょう。

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