「おやつ」を与える時間帯は?

 ペットフード同様に、数多くのおやつが市販されています。最近では従来のペット用のおやつに加え、一件人間のおやつにも似たものも様々です。今度は何を買っていってあげようかと迷いながら選ぶのは、飼い主様にとっても楽しみの一つではないでしょうか。
一方で、最近多い「肥満」の問題は、単純におやつをあげすぎが原因である場合が多いようです。特に、室内飼育の場合その傾向は顕著です。しかし、おやつを与えないのは「飼い主様にとって」抵抗があるようです。それは、ペットが喜んでおやつを食べるのを見るのは楽しい、あるいは味気なく見えるペットフードと異なり、形態も多種多様なおやつは何かおいしそうな食べ物を与えているという飼い主様の満足度を満たすものでもあるからでしょうか。
従来はおやつというと、その量に焦点が絞られていましたが、今回は「与える時間帯」がどうのようにペットに影響するのかについて考えてみました。

 おやつをあげる時間帯は、当然誰がいつ家にペットと一緒にいるのかにより左右されます。最もよいのは食生活に影響を与えることのない時間帯、たとえば朝食と夕食の中間の時間です。この時間帯ならば腹つなぎにもなるし、またエネルギーが食べたあとに利用されるため適量であれば過剰なエネルギーが蓄積される心配がありません。また、同一人物が行うことで毎日の規則性が生じ、かつ摂取量がコントロールできます。『誰が、いつ、何を、どれだけ』あげているのかが不明なのが最も肥満に繋がるケースです。

 「うちのコは朝ごはんを食べないのですが、どうすればよいでしょうか」という質問を受けることがあります。この場合はよくお話を伺うと、昼間誰もいなく、家族の帰宅も比較的遅い。それから夕食とおやつをあげ、就寝。飼い主様としては長い時間留守番をさせたという後ろめたさも手伝ってか、おやつを多く与えているようです。寝る直前に多くのエネルギーを摂取するため、過剰なエネルギーが脂肪となって蓄積されるのは想像がつきますね。また、このような場合は翌朝も散歩をさせずに、朝食を与えています。これではエネルギーが消耗されないばかりか、消化器官も活性化されないので、食欲がないのは当然です。留守番が長い場合には、朝食を多めに、夕食を少なめにし、あたえるおやつも高品質のタンパク質や繊維質の少ない炭水化物などの消化に良いものを少量にすることがポイントです。かつ、朝のお散歩もできるだけ日課にし、代謝を活性化させてあげたいものですね。

 本来夜寝ている間は、身体が細胞の修復をする時間です。そのときに胃に沢山の内容物があると肝心の身体の修復よりも食物の消化へとエネルギーを奪われてしまいます。つまり就寝前に過剰なエネルギーを与えることは、ペットを肥満にするだけではなく、ペットの健康を妨げていることにもなります。ちなみに我が家のマメタロウは飼い主の不注意で、自分の食事以外に何か食べものをもらうと、その日は一晩中熟睡できずに、あちこちに移動をしては寝床を作り直したりして落ち着きません。おそらく胃が活動し続けているため身体が休まらないのでしょう。そんな時、かわいいからついつい何かをあげてしまった自分を深く反省します。

 おやつもまた食事の一部です。そして食生活には規則性が肝心です。いつでもおやつを与えるのではなく、ペットの生活様式に適した時間帯をみつけて与え、健康管理をしましょうね。

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