最近はペットの食に対する情報が以前とは比べ物にならないほど容易に入手できるようになりました。飼い主にとっては大変助かりますが、受け取り方にレベル差があるのが気になります。
　たとえば、「ペットが食べてはいけないもの」です。一般的には「ねぎ類、チョコレート、イカ、タコﾉ..」などのように「食品名」で記載してありますが、「飼い主が食品をどのように理解しているか」により、受け取り方は様々です。たとえば「そこに記載してある食品意外はあげても大丈夫」だと考えるヒトもいれば、「この食品にもチョコレートと同様な物資が含まれているから与えてはいけないんだろう」と他の食品についても推測できる知識を持っているヒトもいるといった具合です。
　そこで今回は、「食べてはいけないもの」の分類を「食品名」とは異なった尺度から分類することで、「食べてはいけないもの」自体＋そこに隠されている概念を理解してみましょう。

【ペットが食べると中毒を起こす食品】

中毒を起こすということは、身体がその物質を代謝できないため、死に到ることもありうるということです。致死量には個体差がありますが、こういった食品はあげないにこしたことはありません。

① ねぎ類
たまねぎ、長ネギ、あさつきなどを言います。加熱調理しても原因となる成分は破壊しないので調理食品に入っていても同様に危険です。「にんにく」もこのグループですが、ペットフードやサプリメントに入っているものは問題がありません。

② チョコレート
チョコレートやココア以外にも紅茶やコーヒーのカフェインも多量に摂取すると同様な症状を起こします。

③ 甲殻類
甲殻類は毒性のあるプランクトンを食べた場合、それが消化器官に蓄積していることがあります。「毒」なので加熱によりなくなることはありません。

【ペットに与えるのに気をつけたい食品】

少し食べたからといって、すぐに生体反応が出るわけではありませんが、徐々に与える量が多くなる、または継続的に与えた結果、健康に関わる問題を引き起こす可能性がある食品群です。

① 加工食品
このなかに、いわゆる食品名分類の多くのものが入ります。加工食品の危険は１．味付け　２．化学構造の変化　３．食品添加物です。これらは体内のビタミン、ミネラル、酵素を無駄遣いし、代謝に負荷がかかるため、その分身体によくないのはヒトも同様です。特に、食品添加物で安定や膨張の目的で利用される「リン酸塩」は多様なリンの摂取量を過剰にするため、結果として腎臓に負荷をかける、カルシウムが体内から損失する、またはリンが他のミネラルと結合して尿路結石の原因となることがありあります。

② 骨
メリットよりデメリットの方が多く、特に「たまにあげる」という与え方が危険です。

③ 生の卵白
これのみを大量に与えれば「中毒」になりますが、卵黄と一緒に与えている分には問題はありません。

【ペットの口に入らないように飼い主が注意しなければならないもの】

①タバコ②薬品③観葉植物④ゴミ箱の中⑤腐敗した食品などです。これらは本来食べ物ではありませんが、たまたま食べてしまう危険性のあるものです。摂取量によって中毒症状を起こし、死に到ることがあります。飼い主様が注意すれば避けることのできるリスクなので、ペットの届かぬところに保管、あるいは処理するようにしましょう。
愛するペットにつらい思いをさせないためには、飼い主様の正しい理解が重要です。基本的にペットにあげてもいい食品は、中毒を起こす問題のない「自然の食材」を「少量」と覚えておいてくださいね。