近年、愛犬の食に対する飼い主様の知識や意識が高まってきたのは大変嬉しいことです。これらは、多くの飼い主様が、愛犬の食に対して「空腹を満たす」だけの食事から「健康を維持できる食事」を願うようになってきたことを裏付けているのでしょう。
しかし、一方でこの普及に伴いいくつかの問題点が目立ってきました。ひとつは、ドッグフード派の「主食とおやつ」の関係です。1日に必要なバランスの取れた栄養やエネルギー量を満たすために作られたのがドッグフードです。各メーカーが推奨する必要量を基準に、「主食」であるドッグフードをしっかり食べて、初めてそのドッグフードは本来の目的を満たすことができます。しかし、最近よくみられるのは、「おやつにあわせてドッグフードの給餌量や種類を選択している」パターンです。この場合、市販のおやつを多種類、少しずつ与ることで多様な栄養を摂取していると錯覚しがちなのか、その分のエネルギー量を主食であるフードから適当に減らしたり、またはまだ若年にもかかわらず早々と「減量用フード」を選んで使用しています。これでは食生活は本末転倒、必要な栄養素を摂取できないばかりか、アンバランスな食事により筋肉にしまりがなく、食事量のわりに太っているようなことが生じます。多種多様なおやつ、しかも健康に良いといううたい文句があり、しかも愛犬が喜んで食べてくれれば、ついついあれこれと買いたくなる気持ちは十分理解できますが、飼い主はなんと言っても愛犬の健康管理者。何が愛犬に必要なのかをまず考えなくてはなりません。それには、愛犬に適していると判断して選択したフードの原材料やその構成を理解し、そこに不足していると考えられる栄養素や役割を「おやつ」として、主食全体のエネルギー量の10%程度を基準に決定していきます。大別すると、たんぱく質中心型と炭水化物中心型のフードに別れますが、前者の場合はおやつにはその消化を助けるビタミンやミネラルを含む果物、後者には蛋白質を補うために、ゆでたお肉やお魚を少量などというようにすると良いでしょう。
また、手作り食派の場合は、選択する食材は正しいのですが、それらの組み合わせや配合量が適当であるパターンを良く見受けます。こういった食事では、最初はよく食べるのですが、長期的に継続していると代謝に何らかの負担がかかり、食欲が低下することがあります。本来ここで、食事に何か問題がないのか振り返ってもらいたいのですが、多くの場合、飼い主様は「食べないのはおいしくないから。うちの子はグルメだから」などと考えて、次から次へと新たな試みをチャレンジしていきます。結果、ベストなはずの食事がそうではないことに気づいたときにはすでに愛犬の健康上問題が出始めていることがあります。手作り食は、現在の健康状態を十分把握した上での個体に適した食事作りが必要になります。そしてそれは同じ犬種でさえも、それぞれの生活環境などの多様な因子により異なるため、専門家に相談しながら、基本パターンを定着させることが大切です。そしてさらに微調整を施し軌道修正を行うために、年に一度は栄養相談を行うことが望ましいでしょう。
いずれも、食生活に問題がある場合、愛犬はなんらかのシグナルを発しています。食欲がおちた、太ってきた、やせてきた、元気がないなど何らかの変化に気づいたときには健康診断と同時に食生活のあり方をも直す習慣をつけましょう。
飼い主様も、愛犬も、そしてみんなが健康で笑って暮らせる一年でありますように。
しかし、一方でこの普及に伴いいくつかの問題点が目立ってきました。ひとつは、ドッグフード派の「主食とおやつ」の関係です。1日に必要なバランスの取れた栄養やエネルギー量を満たすために作られたのがドッグフードです。各メーカーが推奨する必要量を基準に、「主食」であるドッグフードをしっかり食べて、初めてそのドッグフードは本来の目的を満たすことができます。しかし、最近よくみられるのは、「おやつにあわせてドッグフードの給餌量や種類を選択している」パターンです。この場合、市販のおやつを多種類、少しずつ与ることで多様な栄養を摂取していると錯覚しがちなのか、その分のエネルギー量を主食であるフードから適当に減らしたり、またはまだ若年にもかかわらず早々と「減量用フード」を選んで使用しています。これでは食生活は本末転倒、必要な栄養素を摂取できないばかりか、アンバランスな食事により筋肉にしまりがなく、食事量のわりに太っているようなことが生じます。多種多様なおやつ、しかも健康に良いといううたい文句があり、しかも愛犬が喜んで食べてくれれば、ついついあれこれと買いたくなる気持ちは十分理解できますが、飼い主はなんと言っても愛犬の健康管理者。何が愛犬に必要なのかをまず考えなくてはなりません。それには、愛犬に適していると判断して選択したフードの原材料やその構成を理解し、そこに不足していると考えられる栄養素や役割を「おやつ」として、主食全体のエネルギー量の10%程度を基準に決定していきます。大別すると、たんぱく質中心型と炭水化物中心型のフードに別れますが、前者の場合はおやつにはその消化を助けるビタミンやミネラルを含む果物、後者には蛋白質を補うために、ゆでたお肉やお魚を少量などというようにすると良いでしょう。
また、手作り食派の場合は、選択する食材は正しいのですが、それらの組み合わせや配合量が適当であるパターンを良く見受けます。こういった食事では、最初はよく食べるのですが、長期的に継続していると代謝に何らかの負担がかかり、食欲が低下することがあります。本来ここで、食事に何か問題がないのか振り返ってもらいたいのですが、多くの場合、飼い主様は「食べないのはおいしくないから。うちの子はグルメだから」などと考えて、次から次へと新たな試みをチャレンジしていきます。結果、ベストなはずの食事がそうではないことに気づいたときにはすでに愛犬の健康上問題が出始めていることがあります。手作り食は、現在の健康状態を十分把握した上での個体に適した食事作りが必要になります。そしてそれは同じ犬種でさえも、それぞれの生活環境などの多様な因子により異なるため、専門家に相談しながら、基本パターンを定着させることが大切です。そしてさらに微調整を施し軌道修正を行うために、年に一度は栄養相談を行うことが望ましいでしょう。
いずれも、食生活に問題がある場合、愛犬はなんらかのシグナルを発しています。食欲がおちた、太ってきた、やせてきた、元気がないなど何らかの変化に気づいたときには健康診断と同時に食生活のあり方をも直す習慣をつけましょう。
飼い主様も、愛犬も、そしてみんなが健康で笑って暮らせる一年でありますように。