季節は晩秋から初冬の季節になりましたが、まだ半袖でも過ごしやすい日があったり、蝶々が優雅に舞っていたり、夏の花がまだ残っていたりと、すっかり季節性がぼやけてしまいましたね。トンボや鈴虫の声に秋を感じていた日々をなつかしくさえ感じます。
自然も、動物も生命のある生き物はすべて「恒常性」と言って、生命活動をするべき条件を一定に保つために微調整をする機能を備えています。微調整ができているうちは多少軌道から外れることがあっても問題は生じませんが、大きく外れる、常に外れる、あるいは調整を行う機関が障害をうけるなどがあると、その恒常性はもはや保つことができません。それが、自然災害であり、病気とも考えられます。
今回は最も身近な恒常性である、「摂食量」についてのお話です。最近は肥満動物が増加しているのは周知の事実です。内分泌疾患などがない限り、多くの場合は飼い主様によるおやつや食事の与えすぎが原因となっています。ところが、逆に「痩せている」悩みをかかえている場合もあります。このような場合、一般的に「たくさん食べれば太るはず」と、給与量を増やしますが、それでも一向に体重は変わりません。それどころか、常にウンチは緩く、たまに血便もでるような状態になることがあります。ところが元気に毎日走りまわっているのでなんとな〜く時が過ぎてゆきます。実はこの場合、食事の摂食量は、少ないのではなくて、この個体に必要な量よりも多いために逆に体重が増えないことがあるのです!しかし「摂食量を増やす=体重増加」という公式が頭の中で成立している飼い主様にとって、痩せているのに食事を減らすのを理解するのは困難です。
では、質問です。「見た目がやせているが元気」であることと、「ウンチの状態が悪いこと」。どちらが生命に重要な問題でしょうか?このように問いかけられて初めて「ウンチだ!」と気づくのです。たとえばお友達のワンちゃんと愛犬を比較するのは確かに「見た目」であり「ウンチ」ではありません。飼い主様の言い分も納得です。しかし、何といっても「ウンチは体内の生き証人」。食べ物が体の中でどうのように利用されているのかを教えてくれています。今回の場合、食べても体重が増えないというのが飼い主様の悩みでしたね。それもそのはず、体の恒常性が正常に働いているのであれば、食事の量が必要量よりも多くなると吸収率を減らして、その分を排泄するというようにして一定体重を保つように微調整を行います。これが正常な機能です。便になる材料が増えるということは、それだけウンチを作る場所である「大腸」に負担がかかり、またそこの住人である腸内細菌のバランスをも崩すことになります。その結果大腸粘膜から出血、そして大腸環境が乱れれば水分の再吸収という本来の役割も十分に果たすことができないためウンチが柔らかい、あるいは下痢となって出てきます。ただし必要な栄養は小腸で吸収されているので、便の量はいままでとあまり変わりなく、また体重も一定であるといったことが生じるのです。
食事の量や見た目の体型はもちろん重要ですが、「良いウンチ」をしているかどうかということは体の恒常性が守られているかどうかの一つの指標となるのでとても重要です。現在の食事量を活動量や健康状態に合わせて見直し、まずは食事を少し減らしてあげてみましょう。ウンチの問題が解決されると食事から十分な栄養を吸収できる能力が上がり、また腸内環境も正常になり体重が増加する場合があります。なんでもただ増やせばいいわけではないのですね。
自然も、動物も生命のある生き物はすべて「恒常性」と言って、生命活動をするべき条件を一定に保つために微調整をする機能を備えています。微調整ができているうちは多少軌道から外れることがあっても問題は生じませんが、大きく外れる、常に外れる、あるいは調整を行う機関が障害をうけるなどがあると、その恒常性はもはや保つことができません。それが、自然災害であり、病気とも考えられます。
今回は最も身近な恒常性である、「摂食量」についてのお話です。最近は肥満動物が増加しているのは周知の事実です。内分泌疾患などがない限り、多くの場合は飼い主様によるおやつや食事の与えすぎが原因となっています。ところが、逆に「痩せている」悩みをかかえている場合もあります。このような場合、一般的に「たくさん食べれば太るはず」と、給与量を増やしますが、それでも一向に体重は変わりません。それどころか、常にウンチは緩く、たまに血便もでるような状態になることがあります。ところが元気に毎日走りまわっているのでなんとな〜く時が過ぎてゆきます。実はこの場合、食事の摂食量は、少ないのではなくて、この個体に必要な量よりも多いために逆に体重が増えないことがあるのです!しかし「摂食量を増やす=体重増加」という公式が頭の中で成立している飼い主様にとって、痩せているのに食事を減らすのを理解するのは困難です。
では、質問です。「見た目がやせているが元気」であることと、「ウンチの状態が悪いこと」。どちらが生命に重要な問題でしょうか?このように問いかけられて初めて「ウンチだ!」と気づくのです。たとえばお友達のワンちゃんと愛犬を比較するのは確かに「見た目」であり「ウンチ」ではありません。飼い主様の言い分も納得です。しかし、何といっても「ウンチは体内の生き証人」。食べ物が体の中でどうのように利用されているのかを教えてくれています。今回の場合、食べても体重が増えないというのが飼い主様の悩みでしたね。それもそのはず、体の恒常性が正常に働いているのであれば、食事の量が必要量よりも多くなると吸収率を減らして、その分を排泄するというようにして一定体重を保つように微調整を行います。これが正常な機能です。便になる材料が増えるということは、それだけウンチを作る場所である「大腸」に負担がかかり、またそこの住人である腸内細菌のバランスをも崩すことになります。その結果大腸粘膜から出血、そして大腸環境が乱れれば水分の再吸収という本来の役割も十分に果たすことができないためウンチが柔らかい、あるいは下痢となって出てきます。ただし必要な栄養は小腸で吸収されているので、便の量はいままでとあまり変わりなく、また体重も一定であるといったことが生じるのです。
食事の量や見た目の体型はもちろん重要ですが、「良いウンチ」をしているかどうかということは体の恒常性が守られているかどうかの一つの指標となるのでとても重要です。現在の食事量を活動量や健康状態に合わせて見直し、まずは食事を少し減らしてあげてみましょう。ウンチの問題が解決されると食事から十分な栄養を吸収できる能力が上がり、また腸内環境も正常になり体重が増加する場合があります。なんでもただ増やせばいいわけではないのですね。