今年の桜は急ぎ足でさっていったような気がします。大震災から2カ月が過ぎようとしていますが、未だ復興は遅々として進まず、何よりも「心の復興」が遅れているのが気になります。これは人間のみならず動物も同じ。震災後は下痢や嘔吐で来院する患者さんが増えているそうです。
心の不安は、その信号を脳へ送るため、結果「体の不安」になるわけです。私たちが不安になると行動範囲を広げたくないと思い、活動範囲を制限して元気がなくなるのと同じような反応が体にも生じます。その一つが消化器障害です。嘔吐も下痢も多様な原因がありますが、消化器官の機能が低下していることに変わりはありません。疲れたら休養が必要であるように、消化器官も休ませる必要があるのです。一方で、消化器官は生きていくために必要なエネルギーと栄養を食事から取り入れ、不必要なものを排泄して、体内を常に一定に保っていくという重要な働きがあります。よって、全く休ませるわけにはいきません。
「休みたいけど休めない」。この状況を打破するには、「仕事量を減らし、かつ、その働きをサポートする」ことが必要です。その間、バランスのとれた栄養やエネルギーが摂取できれば、体調が戻ってきます。体調が戻ると気持も強くなるものです。では、どのようにすればよいでしょうか?
人間では「消化のよい食事」としてまず浮かぶのが「おかゆ」ですよね。人間は唾液の中にごはんに含まれるでんぷんを消化することのできる消化酵素をもつため、「ごはん」はNo.1の選択です。ところが、犬や猫は肉食動物であり、唾液中にでんぷんを消化する酵素をもっていません。そのためか、体調が悪く何も食べたくない時にごはんをあげても食べないことがあります。そんな時は、小量のゆでた鶏肉に同量の牛乳を加えたものをハンドミキサーなどでペースト状にしたものをあげてみてください。牛乳を飲むと下痢をしてしまう場は、同量のぬるま湯でやってみてください。この方法は水分摂取を促す方法としても有効です。食べるようになったら徐々に元の食事に戻します。このとき、ペットフードが主食であるならば、最初は十分にふやかしたものを少量から、手作り食ならばおかゆからスタートしてあげるとよいでしょう。腸内環境の助っ人役「ビオフェルミン」などの整腸剤、ストレス軽減にはビタミンCやB群のサプリメントなどの併用もよいと思います。
また、精神的に不安定な場合は、いつものように食事を置くだけでは食べないことがあります。そんな時は「食べさせてあげる」ことも一つの方法です。手で与える場合には、手に石鹸やクリームなどの臭いがついていないかを確認してください。嗅覚が敏感なため、そのにおいが嫌で食べないこともあります。
そして、何よりも大切なのは、下痢や嘔吐を長引かせて「食べること」と「嫌な経験」を記憶として結びつけないことです。飼い主様の努力で愛犬や愛猫の心の復興も早まります。頑張ってくださいね。
心の不安は、その信号を脳へ送るため、結果「体の不安」になるわけです。私たちが不安になると行動範囲を広げたくないと思い、活動範囲を制限して元気がなくなるのと同じような反応が体にも生じます。その一つが消化器障害です。嘔吐も下痢も多様な原因がありますが、消化器官の機能が低下していることに変わりはありません。疲れたら休養が必要であるように、消化器官も休ませる必要があるのです。一方で、消化器官は生きていくために必要なエネルギーと栄養を食事から取り入れ、不必要なものを排泄して、体内を常に一定に保っていくという重要な働きがあります。よって、全く休ませるわけにはいきません。
「休みたいけど休めない」。この状況を打破するには、「仕事量を減らし、かつ、その働きをサポートする」ことが必要です。その間、バランスのとれた栄養やエネルギーが摂取できれば、体調が戻ってきます。体調が戻ると気持も強くなるものです。では、どのようにすればよいでしょうか?
人間では「消化のよい食事」としてまず浮かぶのが「おかゆ」ですよね。人間は唾液の中にごはんに含まれるでんぷんを消化することのできる消化酵素をもつため、「ごはん」はNo.1の選択です。ところが、犬や猫は肉食動物であり、唾液中にでんぷんを消化する酵素をもっていません。そのためか、体調が悪く何も食べたくない時にごはんをあげても食べないことがあります。そんな時は、小量のゆでた鶏肉に同量の牛乳を加えたものをハンドミキサーなどでペースト状にしたものをあげてみてください。牛乳を飲むと下痢をしてしまう場は、同量のぬるま湯でやってみてください。この方法は水分摂取を促す方法としても有効です。食べるようになったら徐々に元の食事に戻します。このとき、ペットフードが主食であるならば、最初は十分にふやかしたものを少量から、手作り食ならばおかゆからスタートしてあげるとよいでしょう。腸内環境の助っ人役「ビオフェルミン」などの整腸剤、ストレス軽減にはビタミンCやB群のサプリメントなどの併用もよいと思います。
また、精神的に不安定な場合は、いつものように食事を置くだけでは食べないことがあります。そんな時は「食べさせてあげる」ことも一つの方法です。手で与える場合には、手に石鹸やクリームなどの臭いがついていないかを確認してください。嗅覚が敏感なため、そのにおいが嫌で食べないこともあります。
そして、何よりも大切なのは、下痢や嘔吐を長引かせて「食べること」と「嫌な経験」を記憶として結びつけないことです。飼い主様の努力で愛犬や愛猫の心の復興も早まります。頑張ってくださいね。