うんちの表情!?

 今年も最後の月となりました!毎年同じことを言っているようですが、年々時がたつのが本当に早く感じます。1日でさえ、さっき起きたと思ったらもう寝るの?みたいに感じる今日この頃ですが皆さんはいかがお過ごしでしょうか?

 さて、今回は寒くなるとうんちがゆるくなる、あるいは便秘がちになるコが出てくるのでそのお話です。そもそも下痢や便秘には様々な病気が潜んでいるためまずは原因を探ることが大切です。一方で健康な時でも、食べ過ぎ、冷え、水分の取りすぎでウンチが緩くなったり、気温が低く水分摂取が少なくなったために便秘になるなど、ごく単純な理由でもウンチの状態が変化します。私たちは相手の様子をうかがう時に「顔色を見る」といいますが、ウンチの観察はまさにこれと同様で「ウンチの表情」を観察することで消化器官の問題点を推測することができます。

 「何とか良い表情を作ってあげたい!」飼い主ならば自分ができることはまずやってみたいものです。そのとき、比較的簡単に改善できるのは下痢よりも便秘です。これはすでにできているウンチが詰まっていることが問題であるため、下痢よりも原因が複雑ではありません。詰まっていて動かないのであれば、それを後押ししてくれるサポーターが必要ですね。「水分」はウンチを柔らかくして動きやすくし、「食物繊維」は腸の動きを刺激して押し出すのを手伝ってくれます。そのため、食餌に野菜を加える、スープなどで水分摂取量を促すなどの工夫が可能です。

 一方で、下痢の場合はウンチが作れなくなっていることが原因なので、まずはその原因解明が重要な分かれ道です。消化吸収能、アレルギーや腸内細菌叢の乱れなど原因は様々でわかりにくいのが現状です。問題が見つからない場合、「消化の良い食べ物」というイメージから飼い主様は「おかゆ」を与えることが多くあります。確かに、下痢があるときは1日絶食ともいいますが、健康状態に問題がない場合はそれでは空腹を我慢することができません。そのため消化の良い食べ物を少量だけ与えます。それが「おかゆ」なのですが、このとき、おかゆの中身は「ごはん」と「鶏肉を煮たスープ」だけ。野菜や肉自体は入れないでください。肉は消化に時間がかかり、野菜は食物繊維が消化器官を刺激するためです。「おかゆ」の目的は「消化器官を休めてその働きを軽減すること」です。それから、ウンチの表情をみながら徐々に、肉、野菜の順で加えていきます。そして大切なのはいつまでも「おかゆ」の食餌にしないこと。使わない筋肉はなえるように消化器官の筋肉運動も休めっぱなしでは便の送りがおそくなるため、便秘と勘違いするような状況になることがあります。

 また、年末、年始は何かと人の出入りも多くペットにストレスがかかります。ストレスもまた便秘や下痢の原因の一つです。「原因として考えられることは取り除き、できるだけ早く対策をとり、元にもどったら身体が持っている能力を甘やかしすぎない」。特に腸管の健康は全身の健康の窓口です。  うんちの表情の表情をよく観察して、食餌や環境の対応を早めにしましょう。

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