肝臓とお肉の関係は!?

 毎日寒い日が続いていますが、心持寒さが真冬とは異なり、遠くから春がやってきている気がします。みなさんはお元気ですか?寒くても元気に愛犬のお散歩を頑張っていますか?

 寒い時期はワンちゃんたちの食欲はますます旺盛だと思います。冬は夏場より必用なエネルギー量が高いため、体重に応じて食事量を増やすことが必用だというお話を以前にしました。ところが、食欲旺盛な愛犬につられて増やしているのは、おやつやトッピングにはなっていませんか?その中でなんといっても飼い主様が多く与えているのが「鶏のささみ」です。「鶏のささみ」は必須アミノ酸のバランスが良く、高たんぱく低脂肪。犬のタンパク質源には優れた食品であることは間違いありません。ワンちゃんの嗜好性も高いため、ついついあげる量が増えている人が多いのが気になります。なぜならば、ワンちゃんが喜んで食べているその影で「肝臓」が悲鳴を上げようとしているかも知れないからです。今回は、優れた栄養源である「鶏のささみ」と「肝臓」はいったいどんな関係があるのかについて考えてみましょう。

 「肝臓」は実に様々な働きを担っている臓器で「身体の化学工場」といわれています。その働きの一つに「解毒」があります。これは、体内で生じた毒物、あるいは薬など身体に害を及ぼす物質を、安全な物質に作り変え、体外に排泄するという働きです。体内で生じる毒物の代表的として「アンモニア」があります。アンモニアは肝臓で安全な物質「尿素」に作り変え、腎臓を通して尿中に排泄されます。そして、このアンモニアを作る材料となるのが、肉、魚、卵、乳製品、大豆などの「タンパク質」に分類される食品です。タンパク質には「質」の高いものと低いものがあります。質が高ければ少量で身体に必要なタンパク質量を満たすことができます。ところが、「質が良いのなら沢山あげたい」と思うのが飼い主心理。分からないでもありませんが、沢山あげれば沢山「アンモニア」が作られてしまうのです!!すると、肝臓はその影で必死に働かなければなりません。他にすることは沢山あるのに.我慢強い肝臓が悲鳴をあげ、何らかの症状を身体に示すとき、それはすでに肝臓が70〜80%悪くなっているときだといわれています。さらに、肝臓を害すればいずれ腎臓にも負担がかかります。

 肝臓がいったん悪くなると、犬は食べたくないのに、肝臓を復活させるために食べさせなくてはなりません。食事を嫌がる愛犬に食べさせるというのは犬にとっても飼い主にとっても大きなストレスです。そして、このような事態を生じやすい最も身近な食品が「鶏のささみ」なのです。ドッグフードが主食の場合、与える量の目安は体重が5kgで1日に20g前後(生で)です。「え〜そんなちょっとぉ〜!!」と思ったあなた、可愛いわがコが悲しい顔をすることがないように、飼い主として知識と意識を持ってがんばりましょ〜。

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