身体からの「健康便り」

 今年は健康面ではどのような年だったでしょうか?気をつけているつもりでも、ちょくちょく体調を壊すものです。しかし、「ちょくちょく」や「なんとな〜く」体調不良を感じることはある意味、健康維持の秘訣とも考えられます。なぜならこれは「体調の軌道修正の必要性」を知らせてくれている「身体からのお知らせ」です。このお知らせを開封してみるかどうかが健康を維持できるかどうかの分岐点です。
 例えば、突然「嘔吐」があったとします。嘔吐以外体調の異常がない場合、「何を食べたかな?」とか「食べすぎかな?」とか、思い当たることを考えますね。原因がわかれば、その因子をはずせばよいのですが、だからといって急に嘔吐前と同じものは食べたくありません。そこで胃腸の調子が戻るまで、食事を抜いたりします。そして何となく気分がよくなってきたら水分がほしくなります。たとえば、こんな時目の前にコーヒーと緑茶があれば何の迷いも無く緑茶を飲みますよね。嘔吐は、胃腸の環境が酸性に傾きすぎているときに生じます。コーヒーはその環境をさらに酸性に傾ける食品であるのに対し、緑茶は酸性を中和してくれるアルカリ性食品です。無意識に身体は体調回復に向けて必要な栄養素を選んで摂取しているのです。気持ち悪いのがなくなれば、お腹がすいてきます。しかし、いきなり脂肪したたるステーキではなく、お粥あたりからスタートしますね。ここでステーキを選んだ人は逆戻り。肉はタンパク質であり、主に胃で消化され、脂肪は胃の中に長い時間滞留します。つまりやっと一息ついた胃にまた新たな働きが課せられるのです!やっと仕事から解放されるとほっと瞬間に大量の残業を言い渡されるようなものでしょうか?さらに、肉は酸性食品なので折角整いかけた胃腸内の環境も逆戻り。このようなことを繰り返していればいずれは過労による頓死があるように、胃腸粘膜も肥厚し、その働きが低下してしまいます。すると栄養を十分に吸収することができないため、栄養やエネルギーが不足します。これではいつまでたっても健康を取り戻すことはできません。一方おかゆからスタートし、徐々に日常の食事に戻していった場合、順調な回復をとげ、健康な日常を最短距離で取り戻すことができます。適材適所の人材配置で仕事の負荷を軽減するようなもので、その分代謝効率がアップします。
 もちろん栄養や身体についての知識があるにこしたことはありませんが、なくても身体からのお知らせに気づき、軌道修正を行えば速やかに健康を回復できるのです。
 そして、このことは当然ペットについても同様です。嘔吐をしているのに「いつもと同じ」食事を同じようにして与え続けるのは、自分の経験を考えると、どれだけ愛犬に辛い思いをさせているのか気付くことができます。
 特に、犬や猫は「気持ちわる〜い」といってはくれません。おそらく顔を背けたり、臭いをかいで立ち去ったりと一生懸命その行動で「これは無理でしょ!」と教えてくれているはずです。その行動を見逃さずに、また自分の「健康便り」とその対策を思い出し、愛犬や愛猫の健康状態の軌道修正をはやめ、はやめにしてあげてくださいね。

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