桜をはじめとした色々な花が、様々な個性で景色や空気を彩るすがすがしい季節になりました。生命の息吹きに強いエネルギーを感じます！一方、この季節の特徴は三寒四温。冬のようにさむ〜い朝もあり、わが家のマメタロウは一度起きてから、またコタツの中へもぐりこみ「二度寝大魔王」に変身。朝の忙しい時間にあせりまくる私をよそにのんび〜りと春の気まぐれな陽気にあわせて楽しんでいるようです。

　季節の変化とともに、盛んになるのが新商品合戦ですね。どの季節もそれぞれの特徴を捉えた新商品が新たなコンセプトで展開されていくのは、ヒトだけではなく動物業界も同様です。特に最近のペットフードは多様な商品が次から次と展開されるため、実際のところすべてのフードを把握することは不可能であり、また情報に追いつくのも大変です。特に、ペットフードは、主食となり健康を左右する食べ物であるだけに、飼い主様はより良いものを選びたいと悪戦苦闘しているお話をよく伺います。最近の傾向としては、やはり「オーガニック、ナチュラル、無添加」をキーワードに高品質な原材料を使用し、健康または体重を維持することがポイントとなる商品が業績を伸ばしています。これは、飼い主様の「食に対する安全」がフードを選ぶポイントとして上位を占めるからです。一方で、商品情報により安全で良いと感じたフードを与えてみたものの、体重が激減する、あるいは体調を崩す例も少なくはありません。食べたものを身体の中でどのように利用、あるいは処理できるかは一匹一匹異なるからです。

　食の安全の基準としては、原材料の質や添加物をで「安全性」を基準としていることが一般的ですが、ある食品安全の研究では、「食の危険性」を基準としています。それによれば、身体に危険が高い順から「微生物、栄養、環境汚染、自然発生毒、残留農薬」とあり、最も危険性の少ないものに「食品添加物」となっています。最も飼い主様が危険だと考える添加物は実は、危険性の中ではリスクが最も低いのです。これは、これらの危険性が命に関与することが分かっているからです。「細菌、カビ、ウィルスや寄生虫」「不適切な栄養バランス」「細菌の成長を促すような環境汚染」「保存または調理の方法により発生する毒素」はどれも健康に大きなリスクを与えます。そして、このようなことが起こるのを防ぐために使用されるのが「食品添加物」なので、危険性を基準にした場合、最も低いリスクになるわけです。

　よって、食の安全とは、使用原材料のほかにも、保存方法や保存期間なども重要だということがわかります。さらに、健康なコは代謝できる栄養素でも、何らかの病気をした、あるいは病気である場合には、その栄養素を効率よく代謝できません。そのため安全であったはずの食品により害を被ることがあるのです。

　「みんなに同じように安全」な商品はありません。自分のコの体調や体質を把握し、多角的に情報を判断して、我がコに適した食事選びをして下さい。そして、その結果健康状態が維持できているならば、それこそが我がコにとっての「安全な食」といえるかもしれません。