2018年1月14日に厚生労働省より国内で初めて犬や猫などから人間にうつるとされているコリネバクテリウム・ウルセランス感染症による死亡患者が発生したとの発表がありました。
動物から人への感染率は非常に低いとされていますが、ご不安に感じている飼い主様のために、この感染症の特徴と対策をお知らせします。
初めに、コリネバクテリウム・ウルセランス感染症とは主に動物から動物へ、稀に人へうつる人獣共通感染症であり、呼吸器症状が見られることが多いです。
感染した動物は、くしゃみや鼻汁などの風邪に似た症状や皮膚病を示すことがあり、動物間で感染が拡大することも報告されています。
飼育している犬や猫が咳やクシャミ、鼻水などの風邪様症状、皮膚炎、皮膚や粘膜潰瘍などを示しているときは、早めに獣医師の診察を受けるようにしてください。
こうした犬や猫に触る場合は、過度な接触を避け、手袋やマスクをし、触った後は手洗いなどを励行してください。
なお、人から人への感染事例は、国内では現在まで報告がなく、国外においても、非常にまれです。
この感染症に対して過度に心配するよりも、一般的な衛生管理として動物と触れあった後は手洗いを確実に行い、感染のリスクを低減することが最も重要です。
獣医師 日比珠莉 木下翔太
出典:厚生労働省HP