最近こんな話を耳にしました

 15才位のマルチーズの雌ですが、突然従来のドッグフードを食べなくなったそうです。心配したお母さんは、犬用のジャーキーなら食べるので、それをご飯代わりにあげていたところ、息子さんが「そんなのは贅沢だ!お腹がすけば食べるんだからほっておけよ」とおっしゃったそうです。
 私はこの話を聞いたとき、その息子さんにこんな質問をしてみたいと思いました。
「自分の大嫌いな食べ物を一つだけ想像してみて下さい。そしてそれが来る日も来る日も食卓に出てきたとします。もちろん空腹になればあなたはそれを嫌々でも食べると思いますが、食事を楽しめますか?」
 また、ジャーキーばかりを与え続けるお母さんにはこんな質問です。
「毎日スナック菓子だけ食べ続けて、あなたの栄養は偏りませんか?」

 もちろん「犬と人間は違う」といってしまえばそれまでですが、犬も家族の一員です。 おいしいと喜んで食べてくれた方がどんなに飼い主だってうれしいか!ただ食事を与えるのは飼い主です。ワンちゃんたちは自分では選べません。つまり、愛犬の健康は飼い主の手に掛かっているといっても過言ではありません。食事を楽しみにしているワンちゃんたちが食べなくなるのには、何か理由があるはずです。


おやつでおいしい食べ物を与えすぎている。

高齢のため嗜好が変わった。また、それだけのエネルギーを必要としていない。

体調が悪い(病気)

歯が悪い、口が痛い

環境の変化・ストレス 等々


 色々なことが考えられます。「 ほっとけばいづれ食べる」ではなく、もう一度ワンちゃんを観察しながら心当たりのことがあったら、対処しましょう。
また、特に原因がないのに食べない場合は次のようなことを試してみて下さい。

<ドライフードの場合>


鳥のスープを少しかけ、とり肉を細かく切ってほんの少し混ぜる

缶詰のフードをドッグフードの量の1/10位混ぜる

ぬるま湯でふやかし柔らかくする


<缶詰の場合>


冷蔵庫から出したばかりの物ではなく、湯煎で少し暖かくするか、常温にしてから与える。


 いずれの場合も、ワンちゃんの好きな食べ物を少し混ぜてあげること、常温であることが大切です。ただし、ドッグフードが主食の場合は、混ぜる物はあくまでも全体の10~20%位にしておかないとかえってフードの栄養バランスに偏りが出てくるので要注意です。うちの子の場合は、ドッグフードを食べていた頃は、食べなくなることが時々ありましたが、自家製調理食にしてからは、よほど疲れていたり、胃の具合が悪いとき以外は毎回残すことなくよく食べるようになりました。また、食いつきが悪いときは、食べ物の内容を変えたりして工夫しています。
 ワンちゃんたちは、人間の言葉をしゃべらない代わりに、いつもあなたに何か信号を送っています。その信号を一番理解できるのは、飼い主であるあなたであることを忘れないで下さいね。

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