犬の痙攣発作

痙攣は、通常大脳機能の一時的傷害がほとんどで、痙攣や発作を起こすと飼い主はとてもびっくりすることが多い。
たいていの発作は短時間であり、病院を訪れたときにはけろっとしていることが多いが、痙攣を起こしているときには毛布などにくるんで動物を傷つけないようにしましょう。口元にうっかり手を持っていくと無意識にかまれることがあるので注意しましょう。
痙攣発作の原因は、家族性(先天性)発作、後天性発作、代謝性発作、薬剤により誘発された発作、その他がある。



家族性(先天性)発作
特発性てんかん:発作時間は20〜90秒くらいで、比較的若い時期に発作の症状が出る。発作後けろっとして回復が早い。一定の間隔で発作が起こる。
水頭症:若い比較的早い時期から歩き方がおかしくヨロヨロしたり、よく寝ている。頭の大きさが大きく感じ頂上に穴があいていることが多い。
門脈大静脈奇形:一般に若い犬で、頑固な嘔吐、下痢、水を多くのみ尿量が多い。元気はなくやせてくる。そして痙攣を起こしその後眠る。


後天性発作
ウイルス性脳炎:ジステンパーなどに感染して起こる脳炎で、死亡率が高い。
脳腫瘍:てんかんの様な発作が一般的だが、だんだんとひどくなることが多い。
外傷:交通事故や落下などで頭を怪我したなど、その後無意識になる場合もあるが、治癒後半年くらいすぎてから発作が起こることもある。
その他:トキソプラズマやクリプトコッカスなどの感染で起こるとされている。


代謝性発作寄生虫感染症
寄生虫により貧血や低血糖を起こす。非常に若い子犬が短時間の発作を起こす。
低カルシウム血症:妊娠、分娩などに関係することが多い。子犬の寄生虫感染などで発作を起こす。
低血糖症:低血糖や飢餓。猟犬が激しい運動後の30分〜一時間後に起こることもある。
一酸化炭素中毒:特徴的には桃色の粘膜をしている。車のトランクに乗せているときなど注意が必要。


薬剤による発作
有機リン、塩素、シアン化合物などの中毒で起こる。


その他
低体温や高体温などの条件で起こる発作。破傷風など。

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