栄養やエネルギーって何

 さて、前回はなぜ、「栄養やエネルギーとはなんぞや」という疑問で終わったわけですが、
みなさんはそんなこと考えたことありますか?
 「栄養」とは私たち動物が生きていくために必要な成分のことです。身体の中にあるほとんどのすべての細胞は「たんぱく質」で出来ているんですよ。そう、たまごや肉にたんぱく質が含まれているでしょう。あのたんぱく質です。分かりやすく言えば、私たちの身体、つまり身体を構成しているすべての細胞は食べるものによって決定されるわけです。
「そんなこと関係ないよ。だって、好きなものだけ食べてたってこうやって生きているじゃない」って思うでしょう? さあここで「エネルギー」の出番です。
 エネルギーとは熱量のこと、まあ、車ならガソリンにあたるものと考えてみてください。つまり私たちの体内にとりこまれた食べものは、エネルギーに変換され、体内では細胞が働き、表面的には身体を動かすことができるのです。「おなかがすいて力がでない」のはエネルギーが不足してきた証拠です。そして私たちは、また口から食べ物を入れることにより、新たなエネルギーを作ります。
 「ほら、やっぱりね」と思うのはちょっと待ってください。生命体には生きていくのに必要な栄養素というのがあります。それらは体内で合成できるものものと出来ないものがあります。出来ないものは食事によって、摂取する必要がありそれらを必須栄養素といいます。また、食べ物にはそれぞれ「生物価」、つまり栄養素の質ということですが、高いものは効率良くエネルギーに変換され、生物価の低い食べ物に比較して少量で必要な栄養を満たすことが出来ます。また、身体は、栄養をエネルギーに変換する過程で、身体にとってはごみのような物質を同時に作りますが、その量は生物価が低い場合に多くなります。さらに、このような「ごみ」が多いと、細胞を傷つけ、結果として病気になることさえあるのです。 
 このことが私たちの健康にとって「何を食べるのか」が重要である理由です。この基本概念がペットとか人間とかではなく、共通して「食に対して考える必要のあること」なのです。
 最近「無添加、無着色」というのが売りになっている商品が人間の食べ物でもペットフードでも多いですが、大切なのはそのことよりも、「何が原料になっているか」です。たとえば、極端な例ですが、「糞便を材料に無添加、無着色」にしてもカスはカス。エネルギーにはなりますが、栄養の足しにはなりませんよね。
 次回は、「ペットフードには何が入っているのか」について考えてみましょう。

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