気管内ステント設置術

当院では、内科治療に反応が乏しい重度な気管虚脱の症例に気管内ステントの設置を施術しています。
ステントを気管内に設置し、つぶれた気管を拡張させ、呼吸状態や咳の緩和を目的とします。
ステントが設置できるのは、気管内のみであり、気管支虚脱や他疾患の併発時などには適応されないことがあるため、気管内ステントをご希望の患者様は診察および検査を受けていただき適応かを判断いたします。
施術にあたり全身麻酔が必要となりますが、外科手術と比較して非侵襲的であることが特徴で、動物の体への負担軽減が図れます。レントゲン透視装置を利用するため、外科手術のように切開する必要はありません。術後も定期的なレントゲン検査が必要となり、状況により内科治療の継続や気管支鏡による検査および処置が必要になることもあります。
当院で使用しているステントはVet Stent-Trachea® (米国INFINITI MEDICAL社製)の犬猫専用のものです。
気管内ステントVet Stent-Trachea®(INFINITI MEDICAL社製)
ステント挿入前気管支鏡検査所見 ステント挿入後気管支鏡検査所見
気管がつぶれているのが観察できる ステントにより気管が拡張された
ステント挿入前レントゲン検査所見 ステント挿入後レントゲン検査所見
頸部気管が閉塞しているのが観察できる ステントにより頸部気管が拡張された