犬がたべてはいけないもの II

 最早いものでもう12月!年末になると人間は急にあれこれと忙しくなりますが、私達のようにイベント事を生活の区切れとしているわけではない動物にとっては、環境が何かと変化してストレスの多い月といえるかもしれません。人間は「年末くらいパーっとやってストレス解消だ!」などと暴飲暴食をしがちですが、消化器官はストレスを感じるとその機能が低下するためこんなときこそ消化吸収の良い身体に優しい食生活が必要になってきます。
 しかし実際には人間はその逆の食生活パターンに陥ります。動物も同じかとついつい余計なものを与えがちになる季節です。この時期に食べることが多い食品について今回は考えてみましょう。

菓子類:ケーキ、カステラ、クッキー、アイスクリームなど

 犬はもともと「脂肪臭」「甘味」に嗜好性が高いため、バターや生クリームや砂糖のたっぷり入った食べ物が大好きです。脂肪はカロリーが非常に高く、消化に時間がかかります。特に膵臓や肝臓に負担をかけるため、嘔吐や下痢の原因となります。また、「砂糖」は過剰に摂取すると、身体はそれを処理するために多くのビタミンやミネラルを使用するため、不足しがちになります。特にビタミンB群やカルシウムが不足しやすくなり、神経障害や骨粗しょう症などにつながることもあります。また、アイスクリームなどの冷たいものも犬の食性には適していません。「はちみつ」や「メープルシロップ」はそれ自体にビタミンやミネラルを含むため、ビタミン、ミネラルの消耗においては精白糖よりは「適した甘味」といえますが、大量または継続的に摂取すれば膵臓や肝臓にかかる負担は同様です。また肥満や糖尿病の大きな原因となるので要注意です。「マヨネーズ、ケチャップ、ソース」などの調味料は「脂肪、砂糖、添加物」などすべてが入っていることを忘れずに!

スナック菓子、せんべい、つけもの

 スナック菓子やせんべいは塩分が高いので、心臓や腎臓によくないことはすでにご存知かと思います。せんべいは、あげるならば調味料がついてあるところをとり、中の白いところをあげるなどの工夫が必要です。またスナック菓子は塩分のほかにリンの含有量も非常に高く、大量摂取は砂糖同様、カルシウムの不足を招きます。その他にも塩は食べ物の旨みを引き出す働きがあるため、塩味の濃い食べ物はおいしく感じるようですが、それに慣れると、味がないものを食べなくなり、病気を招くばかりではなく、病気になった場合の塩分を制限した処方食を食べなることが多いので普段から気をつけてください。

コーヒー、紅茶、緑茶、ジュース、アルコール

 コーヒー、紅茶、緑茶などカフェインの高い飲み物は興奮作用が高く、大量に摂取すると死に至る場合もあります。特にコーヒーは豆からドリップで入れた場合最もカフェインが高い上に、豆は商品になるまでに何種類もの化学処理が施されているのであげないで下さい。一方緑茶には緩んだ腸を引き締める働きなどがあり、下痢をした場合、少量のはちみつとまぜて下痢止めに使用したりもします。ジュースは無糖で100%果汁のものは大丈夫です。しかし酸味が強いものを継続的に摂取すると、逆に尿を酸性化しすぎて尿石症の原因になることもあります。アルコールに関しては少しだけでも絶対に止めましょう。犬は人ではありません。

 来年も笑顔で健康に暮らせますように・・・。

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